世界記憶遺産・山本作兵衛の記録画と筑豊炭坑の歴史:田川市石炭・歴史博物館

 実家に帰省しているので、筑豊炭田にまつわる博物館・美術館に行ってきました。その第三弾は、福岡県田川市にある「田川市石炭・歴史博物館」です。

田川市石炭・歴史博物館

HP:http://www.joho.tagawa.fukuoka.jp/sekitan/
住所:福岡県田川市大字伊田2734-1
最寄り駅:JR田川伊田駅より徒歩8分

 この博物館に行くとまず迎え入れてくれるのは、炭坑節の一節を記した石碑です。盆踊りとして今でも愛されている炭坑節は、田川の炭鉱労働者たちが歌っていたものが発祥だそうで、田川と言えば炭坑節が最も有名だったかもしれません。しかし、2011年に田川で活躍した山本作兵衛の炭坑記録画がユネスコ世界記憶遺産に登録されたことで、その作品を所蔵する田川市石炭・歴史博物館は一躍世界で注目を浴びるようになりました。実際、僕が訪れた日も全国からかなり多くの観光客の方が来ていました。なお、世界記憶遺産に指定された炭坑画・記録文書697点のうち、同博物館には627点を所蔵しているようですが、展示されていたのはおよそ20〜30点の炭坑画でした。
 もちろん、本博物館の見所は山本作兵衛の作品だけではありません。昭和中頃に筑豊炭坑が栄えた際の様子を紹介した展示も特徴的です。ただ、オリジナルの史料を紹介するというより、基本的には当時の様子を再現したジオラマや模型の展示がメインです。たとえば、坑道のジオラマや、炭鉱労働者たちの住宅(いわゆる、「炭住」)を時代毎に復元したものがありました。なお、館内は基本的に写真撮影禁止だったのが少し残念でした。