Modern Japan History Association バイリンガルイベント開催(5月18日、6月1日)
『〈伝統医学〉が創られるとき』著者・小田ならさんへのインタビューが公開されました
『洋学史研究事典』編者・松方冬子さんへのインタビューが公開されました
洋学史学会監修・青木歳幸、海原亮、沓澤宣賢、佐藤賢一、イサベル・田中・ファンダーレン、松方冬子編『洋学史研究事典』(思文閣出版、2021年)の編者のお一人である松方冬子先生へのインタビューをおこない、学術書の著者インタビューサイト「ブック・ラウンジ・アカデミア」に掲載されました。
松方先生には、今回の事典が編纂されることになったきっかけ、本事典の特徴(ローカルな視点、グローバルな視点)、海外の研究者や地域の研究者との協力、今後の洋学史研究および洋学史学会の展望などについて、約20分お話しいただいております。ブック・ラウンジ・アカデミアのホームページだけでなく、Apple Podcast、Spotify、YouTube、Google Podcastsなどでも聞けますので、聞いていただけますと幸いです。
『「患者」の生成と変容』著者・坂井めぐみさんへのインタビューが公開されました
坂井めぐみさんの『「患者」の生成と変容——日本における脊髄損傷医療の歴史的研究』(晃洋書房、2019年)のインタビューをおこない、学術書の著者インタビューサイト「ブック・ラウンジ・アカデミア」に掲載されました。
坂井さんには、この研究をはじめたきっかけ、資料調査時のエピソード、出身大学の研究環境、1964年の東京オリンピック・パラリンピック、今後の研究テーマなどについて、約20分お話しいただいております。ブック・ラウンジ・アカデミアのホームページだけでなく、Apple Podcast、Spotify、YouTube、Google Podcastsなどでも聞けますので、聞いていただけますと幸いです。
博論から単著出版まで (3) 出版までの流れ
『ソヴィエト・ロシアの聖なる景観——社会主義体制下の宗教文化財、ツーリズム、ナショナリズム』(北海道大学出版会 、2018年)の著者・高橋沙奈美さんが、博論から単著出版に至るまで、どういった改訂作業などをおこなったかなどを詳しく書かれています。
・2020年10月中旬〜2021年2月28日、提出用原稿の修正作業・5月17日〜6月18日、初校ゲラ作業・6月19日〜7月4日、あとがき執筆、索引事項選出・7月9日〜7月24日、二校ゲラ作業・7月27日〜8月1日、念校ゲラ作業・8月2日〜8月4日、装幀・オビの確認・8月5日〜8月25日 献本リスト作成、発送・8月20日〜、広報活動・8月26日、刊行
- 2020年10月中旬〜2021年2月28日、提出用原稿の修正作業
・縦書きとするために原稿全体に修正を加えました。まず、本文中の算用数字をすべて漢数字に変更しました。また、本文中の「エンダッシュ(–)」はすべて「波ダッシュ(〜)」に変更しました。ただし、注や参考文献リストなどは横書きのままにしたので、上記の変更は加えませんでした。なお、縦書きをする際の注意事項は、日本エディタースクールのページ(PDF)がとても参考になりました。・博論の各章では、「はじめに」・「小括」という節を設けておりましたが、目次でそれが入っていると、ちょっとくどいようにも感じたので、それらをすべて削除しました。なお、章の最後の節の終わりと小括との境目をわかりやすくするため、セクションブレーカーとして「* * *」(dinkus)を入れました。序論でも節を立てて書いておりましたが、それらを削除しました。代わりに、一部に「* * *」を入れました。・内容的に大きな変更を加えたのが序論と第7章です。序論の最初の数パラグラフは、より一般に知られていると思われる事柄について書くようにしました。また、博論の第7章の一部をふくらませ、学術誌に投稿したので、その論文を単著の原稿にも組み込みました。・その他、本文中の誤植や説明不足と思われる箇所を修正していきました。
- 5月17日〜6月18日、初校ゲラ作業
- 6月19日〜7月4日、あとがき執筆、索引事項選出
- 7月9日〜7月24日、二校ゲラ作業
- 7月27日〜8月1日、念校ゲラ作業
- 8月2日〜8月4日、装幀・オビの確認
- 8月5日〜8月25日 献本リスト作成、発送
- 8月20日〜、広報活動
- 8月26日、刊行
博論から単著出版まで (2) 拙著の出版助成
前回は人文系一般の出版助成について説明しましたが、今回の記事では私のケースについて紹介したいと思います。
私は2019年3月に博士号を取得したのですが、同年4月から在外研究をおこなうことになっていたので、出版助成の準備などに十分な時間をとることが出来ませんでした。代わりに在外研究中は、博士論文には入らなかったトピックや博論執筆中に見つけた他の面白い資料などに基づいて、論文の執筆を進めていました。それに加え、博論の1つのチャプターの1つのセクションを膨らませて、論文を書いていました。
そのため、ポスドク1年目のときは、春先に1つの出版助成への応募をおこなっただけでした。しかし、残念ながら、これは落選してしまいました。その後、その他の出版助成への応募も考えましたが、海外にいるうちにやれることに集中したかったこと、また、海外にいたので出版社とのやりとりにより多くの手間がかかりそうだと考え、ポスドク1年目ではその他の出版助成には応募しませんでした(もちろん、今はコロナ禍の影響で、オンラインでの話し合いをおこなっている出版社も多くあると思いますので、今であれば違うアクションをとっていると思います)。
ポスドク2年目(2020年4月〜)からは拠点を日本に戻し、愛知県で非常勤講師をはじめました。また、博論提出後にはじめた新たなトピックの研究を進めていました。帰国して少し落ち着いてきたので、出版助成へ応募しようと考え始めました。このとき、やはり出版社による出版助成を優先したいと考え、春に法政大学出版局の学術図書刊行助成に応募しました。提出した原稿は博論の原稿そのままでしたが、提出に必要な要旨は、比較的最近の事象(本書のあとがき部分に書いたようなこと)と関連付けて書きました。そして、ありがたいことに秋に受賞の知らせを受け取りました。同局はもともと医学史分野の書籍を数多く出版しておりましたので、受賞を聞いたときは非常に嬉しく思いました。
この受賞は幸運であったという以外表現が出来ませんが、受賞出来ていなかった場合の次のアクションとしては、出身大学の学術成果刊行助成と科研費・研究成果公開促進費に応募することを考えていました。しかし、出版社を探し、見積もりをとってもらうことに時間がかかることから、応募は翌年度になっていた可能性が高いです。科研費・研究成果公開促進費は秋頃が締め切りですので、出版社から見積書をつくってもらうためにも、締め切りより数ヶ月前から準備をする必要があると思います。このあたりの出版社側との準備作業については、前回の記事でも紹介した、青弓社の矢野未知生さんの記事(およびそこに掲載されたリンク)が参考になるかと思います。
次回のエントリーでは、拙著が出版されるまでの実際の流れについて書きたいと思います。