2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

目次:「<特集>近代日本における医療の社会史」『Historia Scientiarum』22(2)、2012年12月

昨年12月31日に発行されていた日本科学史学会の欧文誌『Historia Scientiarum』(Vol. 22, No. 2, 2012)をやっと手に入れました。本号では鈴木晃仁先生をスペシャルエディターに迎え、「近代日本における医療の社会史」という特集が組まれています。日本か…

日本と外国を結びつけようとする宣教医療:田中智子「明治初年の神戸と宣教医ベリー」(2003)

田中智子「明治初年の神戸と宣教医ベリー――医療をめぐる地域の力学」『キリスト教社会問題研究』52、2003年、31–57頁。 http://doors.doshisha.ac.jp/webopac/catdbl.do ※ 無料閲覧・DL可能 ※ のち、田中智子「第一章 神戸における近代医療の揺籃とJ・C・…

東日本大震災と映画:宮古市・シネマリーンの活動を中心に

縁あって、16日・17日と岩手県宮古市にあるシネマリーンさんの被災地上映のお手伝いをしてきました。とても素晴らしい仕事をされていますので、本ブログでも紹介を。 まず最初にシネマリーンについて。シネマリーンは宮古市唯一の映画館で、三陸でもただ一つ…

「救出された絵画たち――陸前高田市立博物館コレクションから」(於:岩手県立美術館)

岩手県立博物館では「平成の大津波被害と博物館〜被災資料の再生をめざして」(拙ブログでの紹介はコチラ)が開催されていましたが、一方の岩手県立美術館では「救出された絵画たち――陸前高田市立博物館コレクションから」という企画がおこなわれていたよう…

震災資料の収集と岩手県立図書館

岩手県立図書館に行ってきました。なにか調べものがあって入ったわけではなかったのですが、施設があまりに充実していてテンションがあがってしまったので、簡単にその紹介記事を書いてみたいと思います。笑 岩手県立図書館ホームページへ 震災資料の収集・…

「平成の大津波被害と博物館――被災資料の再生をめざして」(於:岩手県立博物館)

昨日、岩手県立博物館で開催中のテーマ展「平成の大津波被害と博物館――被災資料の再生をめざして」を見学して来ました。館の方にブログでもなんでもどしどしアピールしてねと言われたので、早速その紹介を。笑 テーマ展「平成の大津波被害と博物館――被災資料…

華僑救済のための西洋医学と中国医学の共存:帆刈浩之「十九世紀末における香港華東医院の「近代化」への対応」(2003)

帆刈浩之「十九世紀末における香港華東医院の「近代化」への対応」孫文研究会(編)『辛亥革命の多元構造』汲古書院、2003年、218–236頁。辛亥革命の多元構造―辛亥革命90周年国際学術討論会(神戸) (孫中山記念会研究叢書)作者: 孫文研究会出版社/メーカー: …

善政としての「撫育」と中国儒教思想:有富純也「律令国家の〈福祉〉政策」(2008)

修論では江戸時代の公的な医療・福祉政策について検討したのですが、古代・中世のその政策についてはほとんど触れることが出来ませんでした。ということで勉強のため、律令国家の福祉政策を概観した研究を読みました。修論用メモ(既に提出したのですが、一…

中世スコラ学と近代的原子論の連続性:平井浩「ルネサンスの種子の理論」(2002)

去る2月7日、駒場科学史講演会としてヒロ・ヒライ氏による「ルネサンスの生命と物質――20年の海外研究生活から(日本学術振興会賞記念講演)」という講演がおこなわれました。氏の長きにわたる海外研究生活と絡めつつ、博士論文の主題である「種子の理論」、…

民俗写真家のみた基層文化と近代化:菊地暁「距離感(センス オブ ディスタンス)」(2004)

坂野徹『フィールドワークの戦後史』で取り上げられていた写真家・芳賀日出男について勉強するため、彼の半生について記した文献を読みました。以下のまとめは、坂野本を受けて、九学会連合および宮本常一との関連部分を中心にまとめています。なお、坂野本…

人類学者によるメディアの活用:飯田卓「昭和30年代の海外学術エクスペディション」(2007)

飯田卓「昭和30年代の海外学術エクスペディション――「日本の人類学」の戦後とマスメディア」『国立民族学博物館研究報告』31(2)、2007年、227–285頁。 http://ir.minpaku.ac.jp/dspace/handle/10502/3327 ※ 無料閲覧・DL可能 昭和30年代(1955–1964年)とい…

現地ニーズにあわせた「攻撃型」伝道:石井紀子「アメリカ女性医療宣教師の中国と日本伝道」(2005)

石井紀子「アメリカ女性医療宣教師の中国と日本伝道――メアリ・アナ・ホルブルックの場合(1881年〜1907年)」『日本研究』(国際日本文化研究センター)30、2005年、167–191頁。 http://shikon.nichibun.ac.jp/dspace/handle/123456789/1743 ※ 無料閲覧・DL…

来世での救いとキリスト教:五野井隆史「十六世紀、日本人とキリスト教の出会い」(2011)

16世紀の人びとの「救い」に対する強い関心を手がかりに、初期キリシタン時代の宣教師と日本人の出会いについて論じた文献を読みました。 五野井隆史「十六世紀、日本人とキリスト教の出会い――日本人が救いを求めていた時代」『サピエンチア : 英知大学論叢…

調査地被害と「日本(人)」の再定義:坂野徹『フィールドワークの戦後史』(2011)#2

坂野先生による『フィールドワークの戦後史』の後半です。今回は第2章・第3章・終章をまとめます。前半のまとめはコチラ。 坂野徹「第2章 能登調査と「調査地被害」」、「第3章 奄美調査と「本土」復帰」、「終章 九学会連合のその後」『フィールドワークの…

要旨:藤本大士「秋田藩領および幕領の鉱山における医療環境」〔修士論文〕(2013)

明日は修論の口頭試問がおこなわれます。口頭試問は学内の方だけでなく、全ての方が参加できると思いますので、もしよろしければご参加ください。とくに、来年以降に修論を出す方は、うちの研究室での口頭試問の雰囲気などを知ることができるので参考になる…