2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

江戸時代の人参にみるグローバルヒストリー:西垣昌欣「江戸長崎屋の機能」(2002)

江戸時代における朝鮮人参をめぐる諸政策について調べていたので、関連する部分をメモしました。著者はあまり強調していませんが、江戸時代における人参をめぐる東アジアのネットワークはとても興味深く感じました。 西垣昌欣「江戸長崎屋の機能――文化期にお…

対馬藩と人参貿易:田代和生『近世日朝通交貿易史の研究』(1981)

田代和生「第13章 人参の国内販売」『近世日朝通交貿易史の研究』創文社、1981年、383–399頁。近世日朝通交貿易史の研究作者: 田代和生出版社/メーカー: 創文社発売日: 2002/11メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログを見る 江戸時代における日…

死体の保存・処理のような博物館の役割:梅棹忠夫『メディアとしての博物館』(1987)

「博物館・図書館情報メディア論」(学芸員資格科目)の参考文献としてあげられていた文献を読みました。30年も前に、博物館をメディア=「情報伝達装置」と捉える視点が提示されていたのですね。 梅棹忠夫『メディアとしての博物館』平凡社、1987年。メディ…

長野における朝鮮人参栽培開始時期をめぐって:斎藤洋一「信濃国佐久地方への朝鮮人参栽培の導入」(1995)

斎藤洋一「信濃国佐久地方への朝鮮人参栽培の導入」大石慎三郎(編)『近世日本の文化と社会』雄山閣出版、1995年、127–153頁。近世日本の文化と社会作者: 大石慎三郎出版社/メーカー: 雄山閣出版発売日: 1995/09メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件)…

第60回日本科学史学会年会(2013年5月25–26日、於:日本大学商学部)

週末に開催された日本科学史学会・第60回年会(2013年5月25–26日、於:日本大学商学部)の参加メモを簡単に残しておきます。なお、プログラムなどは下記リンクから閲覧可能です。終了 2013年度 総会・第60回年会(2013/4/21最終案内) | 日本科学史学会 中尾麻…

復古主義と進歩主義をつなぐ有司専制批判:猪飼隆明「近代化と士族」(2012)

とある近代日本史ゼミのアサインメントとして、『講座 明治維新』より明治初期の士族反乱について新たな見方を提示している文献を読みました。 猪飼隆明「3 近代化と士族――士族反乱の歴史的位置」明治維新学会(編)『講座 明治維新 4 近代国家の形成』有志…

豪農・知識人にみる幕末・明治期における公論の連続性:宮地正人「風説留から見た幕末社会の特質」(1999)

宮地正人「第三章 風説留から見た幕末社会の特質――「公論」世界の端緒的成立風説」『幕末維新期の社会的政治史研究』岩波書店、1999年、121–154頁。幕末維新期の社会的政治史研究作者: 宮地正人出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1999/03/26メディア: 単行本…

豪農と国学者・藩士の間の情報ネットワーク:岩田みゆき「幕末の対外情報と在地社会」(2010)

とある近代日本史ゼミのアサインメントとして、『講座 明治維新』より幕末期の民衆による積極的な情報収集活動について論じた文献を読みました。 岩田みゆき「2 幕末の対外情報と在地社会」明治維新学会(編)『講座 明治維新 1 世界史のなかの明治維新』有…

栢木まどか「日本統治期の台湾における都市計画・建築史」(2013年5月18日、於:PORTA神楽坂)

「帝国日本の知識ネットワークに関する科学史研究」の研究会に参加してきましたので、簡単に参加メモを。 栢木まどか「日本統治期の台湾における都市計画・建築史――日本植民地建築史研究のレビューをふまえて」帝国日本の知識ネットワークに関する科学史研究…

主体的に情報を集める民衆:高部淑子「日本近世史研究における情報」(2002)

10年前に書かれた、近世日本史における「情報」研究のサーベイ論文を読みました。この間、本論文で紹介された論文がかなり書籍化されており、研究の進展がうかがえます。 高部淑子「日本近世史研究における情報」『歴史評論』630、2002年、28-39頁。 日本近…

乳児保護についての医学知識と保護施設:南直人「母乳が政治性を帯びるとき」(2013)

南直人「母乳が政治性を帯びるとき――世紀転換期ドイツにおける乳児保護の実態と言説」京都橘大学女性歴史文化研究所(編)『医療の社会史――生・老・病・死』思文閣出版、2013年、259–283頁。医療の社会史―生・老・病・死作者: 京都橘女子大学女性歴史文化研…

森鴎外における近代的知と民俗的知の一体性:野村幸一郎「錯乱と祟りの間」(2013)

野村幸一郎「錯乱と祟りの間――森鴎外『蛇』の問題圏」京都橘大学女性歴史文化研究所(編)『医療の社会史――生・老・病・死』思文閣出版、2013年、228–258頁。医療の社会史―生・老・病・死作者: 京都橘女子大学女性歴史文化研究所出版社/メーカー: 思文閣出版…

要旨:藤本大士「近世後期の秋田藩による医療政策の展開」第114回日本医史学会・第41回日本歯科医史学会(2013年5月12日、於:日本歯科大学)

先月おこなわれた日本医史学会での僕の発表要旨を掲載します。なお、以下に掲載する要旨は、『日本医史学雑誌』「第114回日本医史学会・第41回日本歯科医史学会 合同総会抄録号」59(2)、2013年、269頁に所収されているものと同じものです。 藤本大士「近世後…

「若手医学史研究者が集う会」を組織しました

第114回日本医史学会も無事終わり、拙報告に対して的確なコメントを多く頂くことができ、また、たくさんの医学史研究者と交流でき、非常に充実した二日間を過ごすことができました。 また、今回の医史学会では多くの若手医学史研究者が参加しており、同世代…

第114回日本医史学会・第41回日本歯科医史学会学術大会(2013年5月11–12日、於:日本歯科大学)

第114回日本医史学会・第41回日本歯科医史学会学術大会、2013年5月11–12日、於:日本歯科大学。 第114回日本医史学会で参加・報告して参りました。今回の学会は、はじめての日本歯科医史学会との合同学会であったことに加え、長年理事をつとめていた酒井シヅ…

農村における漢方医学と西洋医学の共存:高久嶺之介「明治前期の村と衛生・病気」(2013)

高久嶺之介「明治前期の村と衛生・病気――京都府乙訓郡上植野村を対象に」京都橘大学女性歴史文化研究所(編)『医療の社会史――生・老・病・死』思文閣出版、2013年、201–227頁。医療の社会史―生・老・病・死作者: 京都橘女子大学女性歴史文化研究所出版社/メ…

JARS第1回ウェブ対談 「平岡隆二 『南蛮系宇宙論の原典的研究』を語る!」(2013年4月27日、於:Google ハングアウト)

先週、平岡隆二さんの新刊『南蛮系宇宙論の原典的研究』出版記念イベントが開催されましたが、かなり反響があったようで、今日現在、YouTubeでは400回再生を超え、はてなブックマークも10個もついてしまうという人気ぶりです!ということで、せっかくなので…

Isis Focus 読書会 #8「リストマニア」(2013年5月1日、於:東京大学)

第8回のIsis Focus読書会のテーマは「リストマニア」でした。個人的に面白かったと思うことや学んだことを簡単にメモしておきます。 Isis Focus 読書会 #8「リストマニア」(2013年5月1日、於:東京大学) 5月1日 Isis, Focus読書会#8 リストマニア - 駒場科…