2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

アーカイブズ・カレッジへの参加を検討している方のために

現在、国文学研究資料館が主催する「平成24年度アーカイブズ・カレッジ長期コース(史料管理学研修会)」を受講しています。 ・平成24年度アーカイブズ・カレッジ | 国文学研究資料館 【2013/5/8追記】平成26年度からカリキュラムの変更により、平成25年…

世界史未履修問題以降の歴史教育:「<特集>いま、歴史教育は何をめざすのか」『歴史評論』(2012)

「<特集>いま、歴史教育は何をめざすのか」『歴史評論』749、2012年、1-72頁。 『歴史評論』の今月号(9月号)では歴史教育に関する特集が組まれていました。最近は、『学術の動向』(16(9)、2011年。)でも同様の企画が組まれており、歴史教育に関する関…

幕府の貧窮民対策としての社会事業:南和男「養生所の成立と実態」(1969)

小石川養生所に関する先駆的かつ基礎的な先行研究を読みました。こちらも修論用メモ。 南和男「第五章 養生所の成立と実態」『江戸の社会構造』塙書房、1969年、294-341頁。江戸の社会構造 (塙選書67)作者: 南和男出版社/メーカー: 塙書房発売日: 1969/08/24…

江戸期における医療教育施設と臨床施設の間の闘争:岩渕佑里子「寛政〜天保期の養生所政策と幕府医学館」(2000)

今回も修論のために幕府による公的な医療施設の歴史についての研究論文を読みました。 岩渕佑里子「寛政〜天保期の養生所政策と幕府医学館」『論集きんせい』22、2000年、40-61頁。 小石川養生所といえば、江戸時代に無料で貧民に医療を提供した施設として、…

名君がつくられるとき:加藤民夫「佐竹義和時代の文教政策」(2005)

修論執筆のため、秋田藩の藩政史に関する文献を読みました。 加藤民夫「佐竹義和時代の文教政策――『御亀鑑』の記事を柱として」『秋田県公文書館研究紀要』11、2005年、1-19頁。 http://www.pref.akita.lg.jp/www/contents/1134102834158/files/kiyou11.pdf …

3つの知の様式とその変位:Pickstone "Ways of knowing: an Introduction" (2000)

今年初めにおこなっていたJohn Pcikstone, Ways of Knowing (2000)の読書会のレジュメとして、その序論をまとめていましたが、ブログで紹介するのを忘れていたので、今更ながらアップしておきます。 John V. Pickstone, "1 Ways of knowing: an Introduction…

仁政イデオロギーと病気観の変遷:若尾政希「安藤昌益の病気論」(1992)

若尾政希「安藤昌益の病気論――身体・社会・自然」『歴史学研究』639、1992年、24-35頁。 近年、幕府・藩が果たした公共的な役割が注目を集めるようになり、むき出しの権力をふるうかつての権力者像に対して修正が迫られつつある。例えば、君主のもつ仁君に注…

メディアと精神科医の協働:佐藤雅浩「世紀転換期日本における精神医学的知識の通俗化過程」(2012)

明治〜昭和期の精神医学の社会史を専門とする佐藤雅浩さんの最新論文が出版されていましたので読みました。 佐藤雅浩「世紀転換期日本における精神医学的知識の通俗化過程――新聞メディアにおける精神疾患報道を対象として」『年報 科学・技術・社会』21、201…

大正期の障害児教育:高野聡子・松矢勝宏「川田貞治郎の偉績」(2008)

縁あって、大島にある藤倉学園を訪れています。本施設は川田貞治郎(1879-1959)によって1919(大正8)年に創設された、知的障害者のための施設です。そこで、今回は創始者である川田の履歴について簡潔に記した文献をまとめました。なお、著者の一人である…

労働者の病気と公共の安寧:アルレット・ファルジュ「労働現場の病いと医」(2011)〔1977〕

1980年代に出版された『アナール論文選』が、ここ数年「新版」として出版されています。今回は『アナール論文選 3 医と病い』(1984年)の中から、18世紀フランスの労働者の病気と国家・都市の公共性について論じたものを読みました。 ちなみに、2010年から…