2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

城下町における救済の形態:エーラス「身分社会の貧民救済」(2010)

近世日本史における貧民救済に関する研究は吉田伸之氏や北原糸子氏のものが有名ですが、このトピックは日本の研究者のみならず海外の研究者をも惹きつけているようです。今日は、マーレン・エーラス氏が日本の研究書に寄稿された論文をまとめました。ちなみ…

目次:「シンポジウム「日本における医史料の蒐集と保存について」、ミニシンポジウム「日本における医史料の保存について」『日本医史学雑誌』45(特集号)、1999年12月

1998年(平成10年)に開催された第99会日本医史学会総会シンポジウム「日本における医史料の蒐集と保存について――その現状と提言」および日本学術会議医史・医哲学研究連絡委員会共催ミニシンポジウム「日本における医史料の保存について」の諸報告は、『日…

グローバルヒストリーにおける歴史の共同性・統合性への警鐘:岡本充弘「歴史にグローバルなアプローチはあるか?」(2013)

昨日岡本氏による新著をネットで購入したのですが、さきほど早くも届いたので一つの章をまとめてみます。国際会議での議論・報告をまとめるという体裁をとっていますので、他の章より比較的読みやすく、かつ、著者のスタンスが簡明に示されています。 岡本充…

医学・美術・身体の融合と美術館:高山宏「身体という「驚異の部屋」」(2009)

数年前に森美術館で開催された「医学と芸術」展(2009年11月28日〜2010年2月28日)の展覧会カタログをたまたま古本屋でゲットしたので、こちらのカタログに寄稿されている高山宏氏の論考を一本まとめてみました。非常に面白そうな展覧会だったのですが、タイ…

科学研究のもつ歴史への関心/時間への無関心:Daston "The Sciences of the Archive" (2012)

明日に迫ったOsirisの読書会に向けて、担当箇所のレジュメを作成しました。なお、読書会はドタ参も歓迎ですので、お時間ある方はどうぞ。詳細はコチラ(オンライン参加もできます)。 Lorraine Daston, "The Sciences of the Archive," Osiris, 27(1), 2012,…

更生意欲のない者の発見とそれへの不信感:植野真澄「「白衣募金者」とは誰か」(2005)

戦傷病者とその家族の労苦を伝えることを目的とした資料館「しょうけい館」に行って来ました。興味深い展示品が多く、非常に素晴らしい資料館でありました。ということで、そちらで学芸員をされている植田真澄さんの論文を簡単にまとめてみました。 植野真澄…

近代中国ナショナリズムと女性の理想像:陳姃湲「民国初期の新しい女性像「賢妻良母」」(2006)

陳姃湲「第5章 民国初期の新しい女性像「賢妻良母」――1915年〜1919年」『東アジアの良妻賢母論――創られた伝統』勁草書房、2006年、170–191頁。東アジアの良妻賢母論―創られた伝統 (双書ジェンダー分析)作者: 陳〓@49A8@湲,陳〓湲出版社/メーカー: 勁草書房発…