k_西洋史

自民族の起源および王国の歴史を知るためのルーン学研究:小澤実「ゴート・ルネサンスとルーン学の成立」(2014)

とあるインテレクチュアルヒストリーの授業のアサインメントとして読みました。 小澤実「ゴート・ルネサンスとルーン学の成立――デンマークの事例」『知のミクロコスモス――中世・ルネサンスのインテレクチュアル・ヒストリー』中央公論新社、2014年、69-97頁…

工作機械による互換性部品の開発というアメリカ式製造方式:橋本毅彦『「ものづくり」の科学史』(2013)#2

橋本毅彦『「ものづくり」の科学史――世界を変えた《標準革命》』講談社学術文庫、2013年、54−109頁。「ものづくり」の科学史 世界を変えた《標準革命》 (講談社学術文庫)作者: 橋本毅彦出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/08/09メディア: 文庫この商品を含…

七年戦争とフランスにおける互換性のある兵器開発:橋本毅彦『「ものづくり」の科学史』(2013)#1

とある科学史の授業のアサインメントとして読みました。なお、本書は『の哲学――スタンダード・テクノロジーの三〇〇年』(講談社メチエ、2002年)の改訂版です。 橋本毅彦『「ものづくり」の科学史――世界を変えた《標準革命》』講談社学術文庫、2013年、1−53…

バシュラールとパストゥールにおける臨床医学の科学性:カンギレム「十九世紀における「医学理論」終焉への細菌学の効果」(2006)

ジョルジュ・カンギレム「十九世紀における「医学理論」終焉への細菌学の効果」『生命科学の歴史――イデオロギーと合理性』杉山吉弘訳、法政大学出版局、2006年、61–89頁。生命科学の歴史―イデオロギーと合理性 (叢書・ウニベルシタス)作者: ジョルジュカンギ…

1900年前後のドイツにおける言語治療学:梅原秀元「学校と発話障害児」(2014)

梅原秀元「第2章 学校と発話障害児」山下麻衣(編)『歴史のなかの障害者』法政大学出版局、2014年、49–81頁。歴史のなかの障害者 (サピエンティア)作者: 山下麻衣出版社/メーカー: 法政大学出版局発売日: 2014/02/12メディア: 単行本この商品を含むブログ (…

精神分析の凋落と精神ケア市場の競争激化:ショーター『精神医学の歴史』(1999)

エドワード・ショーター「第八章 フロイトからプロザックへ」『精神医学の歴史――隔離の時代から薬物治療の時代まで』木村定訳、青土社、1999年、343–387頁。精神医学の歴史―隔離の時代から薬物治療の時代まで作者: エドワードショーター,Edward Shorter,木村…

香港における医療宣教の広がりと地域ボランタリズムの貢献:Wong "Local Voluntarism"(2006)

Timothy Man-Kong Wong, "Local Voluntarism: The Medical Mission of the London Missionary Society in Hong Kong, 1842–1923," David Hardiman, ed., Healing Bodies, Saving Souls:Medical Missions in Asia and Africa, Rodopi, Amsterdam and New York…

広東システム下における最適な伝道方法としての医療:Lazich "Seeking Souls through the Eyes of the Blind"(2006)

Michael C. Lazich, "Seeking Souls through the Eyes of the Blind: The Birth of the Medical Missionary Society in Nineteenth-Century China," David Hardiman, ed., Healing Bodies, Saving Souls:Medical Missions in Asia and Africa, Rodopi, Amste…

解剖されたルターとその身体をめぐる内部対立:高津秀之「手術台の上のルターと宗教改革者たち」(2013)

高津秀之「手術台の上のルターと宗教改革者たち――ヨハンネス・ナースの対抗宗教改革プロパガンダ」『エクフラシス = Εκφρασισ : ヨーロッパ文化研究』3、2013年、178–193頁。 http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/handle/2065/39849 ※ 上記リンクから無料…

動物の魂をいかに描くか:Cohen "Searching the Animal Psyche with Charles Le Brun"(2010)

金曜日に迫ったAnnals of Science読書会「特集:初期近代における動物の表象」に向けて、自分の担当文献をまとめました。なお、研究会詳細については下記リンクをご覧ください。 ・Annals of Science読書会#1「特集:初期近代における動物の表象」 - 駒場科…

版画・カラー図版・言葉による説明という動物発生の表象:Ekholm "Fabricius's and Harvey's representations of animal generation"(2010)

とある初期近代医学史のゼミで、ハーヴィに関する研究文献を読んでいます。今回は、ハーヴィの発生論における表象の役割に注目し、それを彼の師の方法と比較検討した文献です。ちなみに、再来週の駒場科学史研究会では、本論文が所収されているAnnals of Sci…

初期近代における馬のための医療:Curth "The Care of the Brute Beast"(2002)

新年あけましておめでとうございます。2014年は午年ということにちなんで、初期近代における馬への医学に関する論文を読みました。これは10年程前に著されたものですが、著者はこのテーマについて最近単著を出したので、そちらもあわせて読んでおきたいもの…

ドイツ医学史とナチズム:Rütten "Karl Sudhoff and 'the Fall' of German Medical History"(2004)

Thomas Rütten, "Karl Sudhoff and 'the Fall' of German Medical History," Frank Huisman and John Harley Warner, eds., Locating Medical History: The Stories and their Meanings, Baltimore and London: Johns Hopkins University Press, 2004, pp. 9…

JARS年末研究会「ルネサンスの知のコスモス――都市、人間、自然」(2013年12月23日、於:学習院女子大学)

JARS年末研究会2013「ルネサンスの知のコスモス――都市、人間、自然」に参加しました。本研究会は学習院女子大学の根占献一先生が代表をつとめる、科研基盤(B)「西欧ルネサンスの世界性と日本におけるキリシタンの世紀」の一環としておこなわれたものです。個…

サートンの「科学史」構想と20世紀初頭のベルギーにおける知的ネットワーク:Pyenson & Verbruggen "Ego and the International"(2009)

Lewis Pyenson and Christophe Verbruggen, "Ego and the International: The Modernist Circle of George Sarton," Isis, 100(1), 2009, pp. 60–78. http://www.jstor.org/stable/10.1086/597572 ※ 上記URLから無料閲覧・DL可能 サートン(George Sarton, 1…

馬場わかな「社会国家と家族――1890年代〜1920年代のドイツにおける在宅看護・家事援助 (Hauspflege)を事例として」経済史研究会(2013年12月16日、於:東京大学大学院経済学研究科)

馬場わかな氏(日本学術振興会特別研究員)による、以下の研究会を聴講しましたので、簡単にその報告記を。 馬場わかな「社会国家と家族――1890年代〜1920年代のドイツにおける在宅看護・家事援助 (Hauspflege)を事例として」経済史研究会、2013年12月16日…

19世紀から20世紀初頭における「狂気=神経」の治療:ショーター『精神医学の歴史』(1999)

エドワード・ショーター「第四章 神経」『精神医学の歴史――隔離の時代から薬物治療の時代まで』木村定訳、青土社、1999年、145–181頁。精神医学の歴史―隔離の時代から薬物治療の時代まで作者: エドワードショーター,Edward Shorter,木村定出版社/メーカー: …

19世紀ドイツを中心とした生物学的精神医学の登場とその終焉:ショーター『精神医学の歴史』(1999)

エドワード・ショーター「第三章 初期の生物学的精神医学」『精神医学の歴史――隔離の時代から薬物治療の時代まで』木村定訳、青土社、1999年、93–143頁。精神医学の歴史―隔離の時代から薬物治療の時代まで作者: エドワードショーター,Edward Shorter,木村定…

石橋悠人「経度の測定とイギリス帝国」(2013年12月7日、於:日本大学理工学部)

日本科学史学会主催が主催する第26期(2013年度)科学史学校に参加しました。隔月でおこなわれている講演会ですが、今回は石橋悠人さん(日本学術振興会特別研究員PD/京都大学)による「経度の測定とイギリス帝国」という講演でした。会場は満員で、その参…

16世紀イタリアの大学における医学と哲学の関係:Schmitt "Aristotle among the physicians" (1985)

とある初期近代医学思想史の授業のアサインメントとして、アリストテレス研究の泰斗チャールズ・シュミットがルネサンス期の医学と哲学の関係について論じた文献を読みました。 Charles B. Schmitt, "Aristotle among the physicians," in A. Wear, R.K. Fre…

帝国と植民地における順化への熱狂:Osborne "Acclimatizing the world"(2000)

今週末に迫った生物学史研究会「漁業からみる帝国日本の内と外」に向けて、関連する文献を読みました。なお、研究会はどなたでも無料で参加できますので、お気軽にお越し下さい。 ・8月10日(土)「漁業からみる帝国日本の内と外」生物学史研究会 Michael A.…

生活が苦しい女性労働者たちが余儀なくされる売春:メイヒュー『ヴィクトリア朝ロンドンの下層社会』(2009)

明日の駒場科学史研究会では、立教大学博士課程の田村俊行さんに「19世紀英国における伝染病法」とタイトルで報告をお願いしています。その予習もかねて、19世紀半ばのイギリスの下層民に関するルポルタージュを読みました。以下では、特に研究会テーマに関…

東洋文庫講演会(2013年7月7日、於:東洋文庫)

駒込駅近くにある「東洋文庫」は、アジア全般の歴史や文化に関する書物を多数所蔵する東洋学のセンターです。そのミュージアムでは、今月末まで「マリーアントワネットと東洋の貴婦人――キリスト教文化をつうじた東西の出会い」(会期:2013年3月20日〜7月28…

売春婦の自由から市民の病気からの自由へ:田村俊行「一九世紀イギリスの売春統制」(2012)

来週金曜日に迫りました駒場科学史研究会では、立教大学博士課程の田村俊行さんに「19世紀英国における伝染病法」とタイトルで報告をお願いしています。その予習もかねて、関連する文献を読みました。なお、研究会はどなたでも参加可能ですので、関心があれ…

乳児保護についての医学知識と保護施設:南直人「母乳が政治性を帯びるとき」(2013)

南直人「母乳が政治性を帯びるとき――世紀転換期ドイツにおける乳児保護の実態と言説」京都橘大学女性歴史文化研究所(編)『医療の社会史――生・老・病・死』思文閣出版、2013年、259–283頁。医療の社会史―生・老・病・死作者: 京都橘女子大学女性歴史文化研…