資生堂企業資料館

 2014年2月25日訪問。JR掛川駅より歩いて20分ほど。1992年に開館し、隣には資生堂アートハウスという美術館もあります。なお、路線バスでも行けますが遠回りするので結局歩くのと同じぐらいの時間がかかってしまいます。
 資生堂企業資料館は、朝日新聞のおこなっている「大人が楽しめる企業博物館」調査で2位にもランクインされたほど一般の人気が高い博物館です。その噂に違わず、化粧品やその広告の移り変わりを実物をみながら鑑賞できるこの資料館は、一言でとても「美しい」展示をおこなっていると言えます。その個性的で、魅力的な展示には海外からも注目されており、マサチューセッツ工科大学はその広告資料を用い、"Selling Shiseido: Cosmetics Advertising & Design in Early 20th-Century Japan"というインターネット上の展示を行っています。こちらも非常に興味深いです。
 日本医薬史に関連して興味深かったのは、資生堂創始者であり、日本ではじめて医薬分離を提唱した福原有信(1848–1924)が、高木兼寛(1849–1920)から処方箋の依頼をされていたことを示す史料が展示されていたことです。このことからもわかるように、海軍病院薬局長をつとめることになる福原と、海軍軍医総監となる高木にはとても密接な関係があったようです。
 なお、所蔵資料については、やや古いですが『資生堂企業資料館蔵書目録 1992.4〜1996.3』(1996年)が出版されています。

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