とある初期近代医学思想史の授業のアサインメントとして、アリストテレス研究の泰斗チャールズ・シュミットがルネサンス期の医学と哲学の関係について論じた文献を読みました。 Charles B. Schmitt, "Aristotle among the physicians," in A. Wear, R.K. Fre…
大阪大学総合学術博物館と大阪大学適塾記念センターの共催による特別展「緒方洪庵・適塾と近世大坂の学知」を観覧してきました。適塾記念センターは、福沢諭吉など、著名な門人を生み出した蘭学塾・適塾とそれを主催した緒方洪庵に関する資料保存・収集・公…
とある初期近代医学史のゼミで、ハーヴィに関する研究文献を読んでいます。第二回目のアサインメントは、月澤美代子先生によるいくつかの論考です。 月澤美代子「W・ハーヴィのアナトミアと方法」『日本医史学雑誌』47(1)、2001年、33–81頁。 ウィリアム・ハ…
香川雅信「疱瘡神祭りと玩具――近世都市における民間信仰の一側面」『大阪大学日本学報』15、1996年、19–45頁。 近世日本の民衆たちがもっていた疱瘡信仰に関する研究は多くあるが、それらは民俗資料を用いたものであっても、歴史資料を用いたものであっても…
高岡弘幸「都市と疫病――近世大坂の風の神送り」『日本民俗学』175、1988年、20–37頁。 本論文は、近世大坂の非人をめぐる医療文化について、民俗学的な観点に留まらず、当時の社会構造と関連づけることでそれを検討している。具体的に検討されるのは、安永元…
鈴木晃仁「医学と医療の歴史」社会経済史学会(編)『社会経済史学の課題と展望――社会経済史学会創立70周年記念』有斐閣、2002年、426–439頁。社会経済史学の課題と展望―社会経済史学会創立70周年記念作者: 社会経済史学会出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 20…
とある初期近代医学史のゼミで、ハーヴィに関する研究文献を読んでいます。第一回目は、日本において最も早い時期にハーヴィ研究をおこなった中村禎里氏の本を講読しました。 中村禎里「III ハーヴィをめぐる人たち」『近代生物学史論集』みすず書房、2004年…
とある近代日本史ゼミのアサインメントとして、日本開国史をロシアとの対外交渉および当時の日本の政治状況と関連づけて論じた文献を読みました。なお、ロシアの日本進出の背景にあった北太平洋交易ネットワークについては、同じく本書の要約を書いているid:…
浅倉有子「第二章 寛政改革期における北方情報と政策決定」『北方史と近世社会』清文堂出版、1999年、39–76頁。北方史と近世社会作者: 浅倉有子出版社/メーカー: 清文堂出版発売日: 1999/02/20メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 寛政期の蝦夷地政…
藤田覚「第I部第1章 鎖国祖法観の成立過程」『近世後期政治史と対外関係』東京大学出版会、2005年、3–20頁。近世後期政治史と対外関係作者: 藤田覚出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2005/12メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (2件)…
Pierre-Yves Donzé, "Studies Abroad by Japanese Doctors: A Prosopographic Analysis of the Nameless Practitioners, 1862–1912," Social History of Medicine, 23(2), 2010, pp. 244–260. 本論文は、1862年から1912年にかけて、医学を学ぶために海外留学…
長田直子「幕末期の宗教者と医師――府中六所宮神職にみる医師・蘭学・種痘の一考察」関東近世史研究会(編)『関東近世史研究論集 2 宗教・芸能・医療』岩田書院、2012年、307–328頁。関東近世史研究論集 2 宗教・芸能・医療作者: 関東近世史研究会出版社/メーカ…
Susan Burns, "Nanayama Jundô at Work: A Village Doctor and Medical Knowledge in Nineteenth Century Japan," East Asian Science, Medicine, and Technology, 29, 2008, pp. 62–83. http://home.uchicago.edu/~slburns/page1/page1.html 上記著者HPより…
とある研究会の参考文献として、近世日本の環境史・地域史に関する文献を読みました。 町田哲「近世後期における徳島藩の御林と請負――那賀川中流域を事例に」『鳴門史学』26、2013年、49–83頁。 昨今の環境史的アプローチの広がりもあり、近世日本史研究では…
とある研究会の参考文献として、近世日本の政治史に関する文献を読みました。 守友隆「幕末期の国内政治情報と北部九州――筑前国黒崎桜屋・豊前国小倉村屋の「注進」行為について」『交通史研究』72、2010年、25–53頁。 近世期に庶民がおこなっていた情報活動…
とある研究会の参考文献として、近世日本の対外政策に関する文献を読みました。 松尾晋一「第7章 幕府対外政策における「唐人」「唐船」問題の推移――「宥和」政策から「強硬」政策への転換過程とその論理」『江戸幕府の対外政策と沿岸警備』校倉書房、2010年…
丸山裕美子「終章 『医心方』の世界へ――天平9年の典薬寮勘文と太政官符」『日本古代の医療制度』名著刊行会、1998年。日本古代の医療制度 (歴史学叢書)作者: 丸山裕美子出版社/メーカー: 名著刊行会発売日: 1998/05/01メディア: 単行本 クリック: 1回この商…
2013/12/02追記 本資料調査の報告が『宮城資料ネット・ニュース』に掲載されました。この場を借りて、調査のご支援をいただいた佐藤賢一先生(電気通信大学)に御礼申し上げます。 藤本大士「科学史を専攻する大学院生からみた被災資料レスキュー」『宮城資…
著者より抜刷をいただきました。ありがとうございます。以下、まとめを。 蝦名裕一「慶長奥州地震津波の歴史学的分析」『宮城考古学』15、2013年、1–17頁。 本論文は、「慶長三陸地震」として知られている慶長16(1611)年の地震について、後年の編纂物など…
東昇「近世肥後国天草における疱瘡対策――山小屋と他国養生」『京都府立大学学術報告(人文)』61、2009年、143–160年。 http://ci.nii.ac.jp/naid/110008138630 ※ 上記リンクより無料閲覧・DL可能 これまで疱瘡に注目した歴史研究は、1849(嘉永2)年に牛痘…
佐藤文子「近世都市生活における疱瘡神まつり――「田中兼頼日記」を素材として」『史窓』57、2000年、119–130頁。 http://ci.nii.ac.jp/naid/110000413826 ※ 上記リンクより無料閲覧・DL可能 宝暦4–5(1754–1755)年に京都で疱瘡が流行した。一ノ宮下鴨神社の…
田中圭一『病いの世相史――江戸の医療事情』ちくま新書、2003年。病いの世相史―江戸の医療事情作者: 田中圭一出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2003/11メディア: 新書この商品を含むブログ (4件) を見る 本書の著者は、佐渡金銀山の歴史など、主として新潟を…
ブレット・ウォーカー「第七章 蝦夷地の伝染病・医療と変わりゆく生態系」『蝦夷地の征服 1590-1800――日本の領土拡張にみる生態学と文化』秋月俊幸訳、北海道大学出版会、2007年、227–261頁。蝦夷地の征服1590‐1800―日本の領土拡張にみる生態学と文化作者: …
前日のエクスカーションは洋学史学会が主催するものでしたが、この日は佐賀医学史研究会主催のエクスカーションに参加してきました。今回、訪れた資料館・史跡は以下の通りです。 ・三浦梅園資料館(大分県国東市安岐町) HP ・富貴寺大堂(大分県豊後高田市…
洋学史学会・佐賀大会のエクスカーションとして、以下の資料館を見学して参りました。 ・松浦史料博物館(長崎県平戸市) HP ・平戸オランダ商館(長崎県平戸市) HP ・佐賀県立九州陶磁文化館(佐賀県有田町) HP ・佐野常民記念館(佐賀県佐賀市) HP 学会…
AC修了論文用参考文献のメモです。 水嶋英治「歴史博物館の存在証明――欧米に学ぶ管理運営・保存哲学」『歴史評論』683、2007年、19–31頁。 本論文では、今後の博物館やアーカイブズのあるべき姿として、それへのアクセシビリティを保証することに重きが置か…
AC修了論文用参考文献のメモです。 Valerie Johnson and Caroline Williams, "Using Archives to Inform Contemporary Policy Debates: History into Policy?" Journal of the Society of Archivists, 32(1), 2011, pp. 287-303. http://www.tandfonline.com…
AC修了論文用参考文献のメモです。 諏訪部直子「医学情報専門家としての医学図書館員の新しい役割」『情報の科学と技術』55(9)、2005年、369–374頁。 http://ci.nii.ac.jp/naid/110002829880 ※ 無料閲覧・DL可能 かつての医学図書館は医療専門家に対してのみ…
AC修了論文用参考文献のメモです。 John B. Blake "Medical Records and History," American Archivist, 27(2), 1964, pp. 229-235. http://archivists.metapress.com/content/d54gn70748865222/ ※ 無料閲覧・DL可能 本論文は、1963年10月3日に開催された、…
アーカイブズ・カレッジの修了論文を執筆していくにあたって、過去の受講生による修了論文で、それがのちに学術誌に掲載されているものを読んでいます。本論文は2005(平成17)年度の修了論文を元にして書かれたものだそうです。こちらも、AC修了論文用参考…